さよならポエジーのライブが素晴らしかった話。

ninth apolloというレーベルには、「刺す曲」を作るバンドが多い。中でも、さよならポエジーというバンドは一線を画していると思う。

 

なんどかブログ記事の中でさよならポエジーの名前を出しているが、それ程に好きなのだ。彼らの曲はおそらく、聴く相手のことを想定していない。商業としては成功しない類だろう。しかしながら、確かに俺は、さよならポエジーに刺された。

 

さよならポエジーは、湿っぽく、どこかノスタルジーな曲調が多い。日常の、誰に話すでもない、憂いに、葛藤に、やり切れなさに寄り添うことができるバンドだ。しかしそこに聞き手である俺たちは存在しない。

 

だからこそ、俺は曲に自分を投影するのではなく、共感をした。こんな憂いを、葛藤を、やり切れなさを抱えているのは俺だけではないのだとどこかホッとする気持ちになる。

 

ずっと生で聴きたかったさよならポエジーを今日、サーキットフェスという限られた時間でだが、聴くことができた。

 

ライブは特段パフォーマンスが優れていた訳でもなく、熱量が凄かったわけでもなく、MCが心打つものでもない、普通のライブだった。普段通りの演奏という印象。

 

言葉にするのは難しいが、その普通でいることが何よりのパフォーマンスであったと思う。

日常を歌う曲を、普通に歌う。

とにかく素晴らしかった。

何十回、何百回と聴いた曲を、生で聴く。

これは俺だけの感想かも知れないが、今までどんな時にさよならポエジーを聴いて、どんなことを考えていたかがフラッシュバックしてきて、いつのまにか涙が出ていた。

 

おふざけ無しでこんなことを書いているあたりに、さよならポエジーの良さと俺の真剣さを感じていただければ幸いです。それでは。